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太陽光発電の事業化が加速、ソーラーをのせるなら今

太陽光発電の事業化が加速、ソーラーをのせるなら今!

7月からスタートした固定価格買取制度で最大の注目点は、太陽光発電の買取価格が1kWhあたり42円と高めに設定されたことだ。10年以上にわたって買取が保証されており、太陽光発電事業への参入が相次いでいる。設置・運用コストと売電収入を計算すると、通常は10年かければ利益が出る見込みになります。

 生可能エネルギーの発電量、7月からの買取制度で2012年度に13%増加へ2012年度が始まった4月以降、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの取り組みが全国各地で活発になっている。大規模な太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が相次ぎ、一方で太陽光パネルを搭載したスマートハウスの販売が急拡大している。 この新制度が大きな注目を集める理由は主に2つある。第1に従来の日本のエネルギー供給体制がさまざまな問題を抱えていることが明らかになり、それを解決するためには再生可能エネルギーの拡大に国を挙げて取り組むことが不可欠になったことだ。日本の電力全体に占める再生可能エネルギーの比率はわずかに1%であり その結果として国のエネルギー自給率は4%にとどまっている、という事実が象徴している。

 第2の理由は企業や家庭において電力の利用コストが増大しており、その削減手段として自家発電設備をもつことが有効になってきたことである。自家発電で余った電力は新制度によって高い価格で電力会社が買い取ることに決まり、再生可能エネルギーに対する取り組みが全国各地で一気に広がった。

買取価格は家庭向け電気料金の約2倍

 それでは7月1日から始まった固定価格買取制度とは、どのようなものなのか。まずは全体の仕組みから見ていこう。この制度を運営する主体は経済産業省で、買取価格や買取条件などを法律で規定する役割を担うすでに6月18日付で「電気事業者における再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則」という名称の省令を公布し、新制度に関する規定を細かく定めた。

 この法律に従って、企業や家庭が再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定の価格で買い取り、利用者に供給する電力として活用する、というのが新制度だ。再生可能エネルギーを拡大することが我が国にとって極めて重要な施策になることから、買取価格は高く設定されている。例えば太陽光発電の場合は通常の家庭向けの電気料金の約2倍の価格である。

 買い取る側の電力会社は通常の電気料金との差額を負担することになるため、その差額相当分を電気料金に上乗せすることが認められている。これを「賦課金」と呼び、7月から企業や家庭向けの電気料金に追加される。電力会社によって金額に差はあるが、平均すると1kWhあたり0.3円になる。通常の企業向けの電気料金が1kWhあたり10円~15円程度、家庭向けで20円前後であることから、許容範囲と考えるべきだろう。東京電力が予定している電気料金の値上げ幅に比べれば数分の1以下のレベルである。

買取価格は下がり、賦課金は上がる方向に

電気料金に影響する買取価格と賦課金は毎年見直すことになっている。買取価格は発電設備の種類ごとに、1kWhあたりの単価が決められている。それぞれの発電設備の標準的な建設費と運転維持費をもとに、一定の利益を上乗せした形で算出する方法をとる。利益の割合は発電設備の種類によってリスクを想定したうえで、IRR(内部収益率)という指標で設定する。例えば地熱発電のように事前調査に多額の費用がかかるものはリスクが高いため、ほかの発電方法と比べてIRRが高くなる。

実は制度開始から3年間は、このIRRが1~2%高く設定されることになっている。新制度の利用者を増やすためだが、4年目からは割り増しがなくなり、すべての発電設備の買取価格が多少下がることが予想される。この制度を長期的に利用することを検討する場合は、買取価格を少し低めに見ておいた方が安全と言える。

もう一方の賦課金は、電力会社が1年間に買い取る再生エネルギーの総額から、同じ量の電力を従来の設備を使って発電した場合に必要となるコストを差し引いて計算する。あらかじめ経済産業省が年間の買取量を推定して算出するため 年度が終わってから集計される実際の買取量と差が出る。

この差額は次の年度の賦課金に反映する。想定通りに買取量が増えていくと、賦課金も高くなっていく。むしろ賦課金が高くなれば、それだけ再生可能エネルギーが増えたことになるわけで、望ましい傾向と考えるべきだろう。

2012年度は前年度と比べて再生可能エネルギーによる発電量が13%増加すると見込まれているが、このペースでは10年後でも現在の3倍程度にしか増えない。少なくとも原子力に依存しないエネルギー供給体制を作り上げるためには、この2倍以上の勢いで伸びていくことが必要だ。新制度をきっかけに、多くの企業と家庭へ再生可能エネルギーの取り組みが広がることを期待したい。

本格的にスタートした固定価格買取制度は、特に企業にとっては今後の効率的な電力活用法を考える上で重要になる。自家発電設備で作った電力を売れるようにするためには、いくつかの条件や課題がある。その一方で大量の電力を購入する企業の場合は賦課金も決して小さくないが、事業の内容によっては緩和措置が適用されることになっている。

 

 7月1日に再生可能エネルギーの固定価格買取制度開始されて以来、企業のみならず一般家庭でも太陽光発電システムの設置件数が急速に増えている。7月の1か月間に買取制度の対象として認定された太陽光発電システムは全国で3万件以上にのぼる勢いだ

 これほど太陽光発電有望視されている要因は主に3つある第1に電力の需要が最も大きい夏の昼間に効率的に電力を生み出せること。需要と供給の観点から理にかなっている。第2に設置工事が簡単で運用の手間もほとんどかからない。そして第3の要因として買取価格が高めに設定された点が挙げられる。

土地代が不要ならば確実に利益が出る

 太陽光発電の最大のメリットは火力や原子力に依存しない安全な電力供給源になることだが、当然ながらコスト対効果が良くなければ拡大は見込めない。その点で買取価格が1kWhあたり42円と高く設定されたことは大きな意味がある。具体的に検証してみよう。

 まず太陽光発電システムのコストだが、資源エネルギー庁が買取価格を決めるにあたって想定した建設費は住宅用の小規模な場合(10kW未満)で46万6000円/kW、非住宅用の場合(10kW以上)で32万5000円/kWである(図2)。実際に家電量販店などでも、この住宅用の価格水準で販売されている。設置後の運転維持費は住宅用が年間に4700円/kW、非住宅用が1万円/kWになる。

 

            

 太陽光発電による電力をすべて買取制度によって電気事業者に売る場合を想定する。例えば100kWの発電能力をもつ太陽光発電システムを導入すると、建設費が3250万円、年間の運転維持費が100万円になる。10年間の合計で4250万円のコストがかかる。

 これに対して発電できる電力量は天候や地域によって変動するが、通常は1kWの発電能力のシステムで年間に1300kWh程度の電力を生み出せる。100kWのシステムだと13万kWhになり、10年間で130万kWhの電力を供給することが可能だ。買取価格は消費税を抜くと1kWhあたり40円に設定されているため、10年間で5200万円の収入が見込める。

 つまり10年間で5200万円マイナス4250万円になり、1000万円近い利益が出る。買取期間は20年間にわたって保証されており、発電システムに問題が生じない限り、11年目以降も毎年利益を積み上げることができる。最近は20年間の保証をつけた太陽光発電システムも販売されるようになってきた。

 ただし以上の計算に土地代は含まれていない。企業が自社で所有する遊休地や工場などの既存施設を活用する場合には考慮しなくてもよいが、土地や施設を借用する場合には追加のコストになる。

“固定”の買取価格は年々下がっていく

 太陽光発電の買取価格が42円に設定されたことに対して、高すぎるのではないか、との批判の声も少なくない。この高めの価格設定は太陽光発電に取り組む企業や家庭を早急に増やすことが目的であり、今のところ大きな効果を上げている。

 しかし一方で企業や家庭の電気料金を上昇させる要因にもなる。電力会社をはじめ電気事業者が42円で買い取った電力は、通常の火力などによる電力よりもコストが大幅に高く(天然ガスによる火力発電の場合は10円程度)、その差額は電気料金に上乗せされることになっている。

 しかも買取契約を結んだ時点の価格が契約期間中は継続されるため、42円の買取価格は20年間(住宅用の場合は10年間)にわたって固定される。これが固定価格と呼ばれる理由だ。

 この買取価格の設定は毎年度に見直されるので、2013年度以降に買取契約を結ぶ場合には必ずしも42円は保証されない。今後は太陽光発電システムの設置コストが下がっていくと予想されており、それに合わせて買取価格も安くなる見込みである

 

 特に制度開始から3年間は買取価格を高めに設定する方針がとられていることから、4年目以降は確実に買取価格が下がる。3年目の2014年度までに発電を開始して買取契約を結ぶほうが有利とみたほうが利口かなと思います。